歌舞伎色

2021/09/14

芝翫茶(しかんちゃ)
文化・文政年間、江戸、京、大阪を通じて人気のあった三世中村歌右衛門から出た役者色。彼の俳名は「芝翫」、後に「梅玉」に変わった。オールドローズ。

路考茶(ろこうちゃ)
宝暦・明和の頃江戸中の人気をさらった二世瀬川菊之丞は路考という俳名で俳句を親しんだ。この役者が好んだ色。黄茶の黒味がかった染色を言う。
楊梅に阿仙の鉄で発色。

梅幸茶(ばいこうちゃ)
安永・天明(1772~1789)の頃、歌舞伎の大立者であった初代尾上梅幸の趣向による、灰味の淡萌黄色を言う。「草柳」も同色と言う。

高麗納戸(こうらいなんど)
「高麗屋」が屋号の、天明から寛政(1781~1800)にかけて歌舞伎界の大立者であった、四世松本幸四郎から出た、暗い「納戸色」を言う。

舛花色(ますはないろ)
灰がかった薄い青色。安永・天明年間(1772~1788)、江戸で人気のあった、五世市川団十郎が好んだ色です。古代の縹色は、中世になると花田色、近世では花色と呼ばれました。舛花色の「舛」は市川家の家紋の「三舛」から来ています。市川家家芸の色には、「暫」の団十郎茶、花川戸助六の鉢巻の「江戸紫」があります。

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